サイトウ・キネン・フェスティバルは国内有数の「ブラック音楽祭?」

昔から存在していたのですが近年注目されている
「ブラック企業」
音楽業界にもブラックな組織が存在するのだと思い本日のブログはこの内容で―

先日、いつもお世話になっているディスクショップに行った際、ご店主との会話でクラウディオ・アバドがルツェルンで活動している姿を見るとベルリン・フィル監督時代の硬直したような音楽から病気も影響してか一皮むけたみたいに頑張っているという話題から同世代で病気から復帰したにもかかわらず一皮むけない(年齢だけなら「巨匠」と呼ばれてもいい時期に来ているのに)小澤征爾=オオカミ少年ならぬ老人(指揮する指揮するといいながら結局指揮しなかった2012年のサイトウ・キネン・フェスティバル)の話になりました。

市内(長野県内)唯一のクラシック・ディスク専門店であるこのお店には地元の音楽関係者の利用も多く、サイトウ・キネン・フェスティバルの表裏を知る方々からの情報が入ってくるとのことで、ご店主の話を基にそれらのきいた事をまとめてみました。

まず、サイトウ・キネン財団。フェスティバルごとに多額の利益を上げているそうです―本来、財団って利潤追求の組織でしたっけ?―だったら入場料下げて下さいという声があるそうです。私も同感です―それも、ボランティアの名の下に多数のスタッフを集めコキ使って人件費も浮かせているのですから―

また、私の気に障るのが小澤征爾の公演案内の注意書きに「本人が出演しない場合でも一切の払い戻しはしない・・・云々」とあり、あくまで「小澤征爾」の名前だけでチケットの販売枚数を稼ぎたいという主催者のおぞましい商魂が覗いていることです。

それからオーケストラの楽団員―このメンバーに選ばれるとみんな喜んで参加するそうです。どんなオーケストラの奏者でもここに来ればサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして歓迎され、ソロ奏者ならあちらこちらドサ回り公演して歩かなくても、ほとんど飲み食いタダで暑い約1か月間を避暑気分で(近年は松本もとても暑いですが・・・)仕事していれば誰も文句は言わないのですから・・・そして、最後に以前のブログにも書いた金銭の問題。県・市からの公的資金(税金!)を投入していながら詳細な収支報告は出ないという事。それを地元有力新聞社も触れない。それもこの音楽祭のスポンサーになっていて提灯記事を掲載している。まあ、元からこの新聞からはジャーナリスティック精神が感じられる記事は見たことないですが―そういいった面に切り込む方がいないのが残念デス。

そういった経緯を知る私の恩師(中学の時の担任。そして音楽の先生でもあって、その影響でクラシック音楽の魅力を教えてくれた大恩人でもあります)が店主に「小澤征爾なんてショーないやつだ」と言ったそうです。

あの先生からこんな言葉がきけるとは!

先生ご無沙汰しています。これからますます寒くなりますのでお体にお気を付け下さい。

そして、当日私が購入したディスクは今までと関係ないのですが

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番・第7番

ジャン=ジャック・カントロフのソロ、レオポルド・ハーガー指揮オランダ室内管弦楽団(1986年録音日本コロムビア)の演奏です。

いうまでもなくモーツァルト作曲となっていますが限りなく「ブラック」な音楽です。しかし、そうして切り捨てるには惜しい曲で、演奏家もそう感じたらしく昔のジャック・ティボーなどの大家は真作の第1・2番は演奏しなくてもこの曲を録音として残している例もあります。
私もアルテュール・グリュミオーが演奏している第7番は持っていますが今回疑(偽)作の2曲を改めてきいてみてやっぱりモーツァルトというにはかなり無理がありますが面白いところもあります。

第6番  変ホ長調  K.268(K.AnhC.14.04)から。第1楽章の規模が大きくてきき応えがあって、ソロ対オーケストラというコンチェルトらしい趣きがあります。

第7番 ニ長調 K.271a(271i)はヴァイオリンが技巧的でオーケストラが重厚です。第2楽章アンダンテでは冒頭ピチカートで始まるテーマがチャーミングで、ソロが花を飛び回る蝶々みたいな優美な音楽です。
この曲が第1番から第5番に比べて名人芸を披露するには適していているので現在のようにオリジナル尊重主義以前の大家たちが弾いたことが理解できます。
ここはひとつ真疑を超えて現役の奏者にも取り上げて欲しいものです。

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