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今週の1曲(36)~ブラームス:哀悼の歌(悲歌)

今週ご紹介する作品はブラームスの合唱曲 「哀悼の歌」(悲歌)作品82 です。 友人でもある画家、ヘンリエッテ・ フォイエルバッハの死去に際してその追悼として1880年~1881年作曲され彼の母親に捧げられました。 シラーのギリシャ神話の「オルフェオの冥府下り」や美少年アドニス、トロイア戦争で死んだアキレスの母親の嘆きといった「死」に関するエピソードをベースに作られた詩が格調高く、フォイエルバッハの生涯は芸術家として不屈・不変のものとして描いているようです。 冒頭、 「Auch das Schone mus sterben (美しきものとして滅びねばならぬ!)      Das Menschen und Gotter bezwinget (それこそが人々と神々の支配する掟)」 と歌われるカッコイイ詩と音楽に美しすぎて息をのみます! 終わりの 「 Auch ein Klagelied zu sein im Mund der Geliebten ist herrlich(愛する者の口より出ずる 嘆きの歌は素晴らしいものだ)」 を繰り返して曲を感動的に、しかも悲しみを乗り越えるように力強く、名残惜しげに曲を閉じていくところが崇高な感じで最高です。 題名が「哀悼の歌」とあり「死」を描いているのですが、美しくロマンティックな音楽に甘美さがあってブラームスはシブ~イというイメージですが、根っこのところはやっぱりロマン派の作曲家なんだなぁと実感する作品です。 《Disc》 もっぱらマーラー指揮者という印象の ジュゼッペ・シノーポリ が チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ・フィルハーモニー合唱団 を指揮したディスクは繊細な表現が素晴らしいです。あと、FMできいた ティーレマン が ベルリン・フィル を振った演奏も力強さといった面ではとてもよかったと思いました。

中山七里著「おやすみラフマニノフ」を読んで

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クラシック音楽とミステリーを絡めた小説でデビュー作である「さよならドビュッシー」そして「さよならドビュッシー 前奏曲」を以前読んでミステリーというよりはかなりライトなもので音楽小説という傾向が強いもので面白く読みました。   内容は音楽大学の厳重管理の保管庫から時価2億円のストラディヴァリウスのチェロが盗難に遭うという事件を発端に様々なことが起きていきます。 今回もデビュー作から登場している岬洋介という人物が探偵となり事件を解決に導きます。 ミステリーという面から読むとチェロ盗難のトリックはやや強引であったり、まとまりの無いオーケストラがしだいにまとまっていくくだりはマンガ「のだめカンタービレ」にダブったり、オーケストラのチューニングがヴァイオリンから始めるとか、オーケストラの金管・木管楽器の配置について首を傾げる描写などがあったりと雑念が入りますが、謎解きを楽しむというよりは登場人物の成長、所々で語られる言葉が印象に残ります。そしてなんといってもこの本はクラシック音楽を文章として読ませるということでは一番面白いです。 物語の最初に出てくるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の演奏シーン、パガニーニの「24のカプリース」や集中豪雨の中、避難所の体育館でチャイコフスキーにヴァイオリン協奏曲、物語のクライマックスで演奏されるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では音楽描写と登場人物の心情表現の両立が見事です。 難しい言い回しや複雑なテロップが無いぶん、文学としてみたもの足りないですが、クラシック音楽ファンなら音楽の演奏場面だけでも読んでみると良くきき込んでいる作品でも改めてきいてみたくなります。 作品のあちこちで語られる言葉には作者から読者へのメッセージが込められているようで、例えば56ページでは音楽家を目指す学生のアルバイト先であるとんかつ屋の親爺さんが音楽を職業とする難しさを述べる所は楽器を習わしている親子に、86ページでは就職活動を全敗した女子大生が愚痴るところは学生のみではなく正規雇用で働けない若者たちにも読ませてあげたいです。 331ページで出てくる「音楽は職業ではない。生き方なのだ」というくだりは七里さんがこの作品を通じて一番伝えたかった事のように思われ、この方は作風からはあまり感じられませんが熱い心の持ち主なのでし...

今週の1曲(35)~テレマン:12の幻想曲(無伴奏ソロ・ヴァイオリンのための)

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皆さんは ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681~1767)に対する認識はどんなものでしょうか? J.S.バッハよりも4歳年長で、なお17年も長生きした彼は20歳そこそこでアイゼナハの宮廷楽長から教会務めを経てハンブルクの街の音楽監督として過ごした時期に代表作と言われる「ターフェルムジーク」や協奏曲などの数々を残しています。また、そういった作品を出版して収入を得るといったビジネスの才能もあって、当時はドイツの地方都市の楽長でしかなかったバッハに比べることもできないくらいの名声と人気を誇っていたそうです。 作風は表現がストレートで長調では明るさと温かさ、時にはジョークを交えつつ、短調ではマジメな顔つきでとメリハリがはっきりしています。技巧的なところやきれいなメロディーもあるので才能が豊かであったことは確かで、 休日の朝のひと時や精神衛生上からもふさわしい音楽でしょう。 でも、ここまでテレマンの作品が残ってきたのは新しい感覚を身に付けていた人で、特に晩年はドイツの文学運動から派生した「シュトゥム・ウント・ドラング」の時代でありましたが、そういうものには染まらず、バッハの息子たち―フリーデマンやエマヌエルなど前古典派のような響きにも似ています。 しかし、私にとってはテレマンが大作曲家なのかビミョーな位置にいます。一般でもこのオリジナル楽器演奏氾濫のなかそれなりに演奏もされ、ディスクの数もあるのにバッハやヘンデル並みの扱いではないと思います。 それは彼があまりににも多くの曲を書きすぎたということに尽きるのではないでしょうか? その数4,000曲!オペラや声楽曲、器楽曲、室内楽曲、オーケストラ組曲、そして当時あった楽器の全ての組み合わせで書いたんじゃないかと思われるコンチェルトの数々! 例えばソロコンチェルトはもちろん、二重奏以上の合奏協奏曲もヴァイオリン、フルート、リコーダーあたりの組み合わせは普通で、3本のオーボエやホルンのためのもの、確か3本のトランペットにオーボエだったかフルートが加わり、ティンパニも入るコンチェルトを目にしたことがあります(未聴ですが音量的にはかなりにぎやかというかグロテスクな感じが漂ってきそうです・・・) そんな子だくさん?なテレマンから 独奏ヴァイオリンのための12のファンタジー(幻想曲)  をご紹介します。 ...

新居建築Vol.6~身辺雑記

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15日金曜日に無事上棟式が終了。 シートが張られてよく中が見えなかったのですが今日入ってみて床板が完成して、バスルーム、電気関係の配管・配線はほぼ終了していました。 小さい家なのに過剰なほど耐震の備えがしっかりしていることにびっくり! 狭い柱の間に筋違をつけ、柱のほとんどにボルトや金具が取り付けられていました。 式の終了後、家の真ん中の屋根裏に神様が取り付けられました。 より安心になったような気持ちになりました。 特別に足場を昇らせてもらい屋根の上までいきましたが、高所恐怖症の私は怖かった~風が強いので足場が揺れ余計に怖い。降りようとすると下から妻も昇ってくるし・・・写真を撮ってもらいましたが、速く降りたくてしょうがなかった・・・自分でもわかるくらい顔が引きつって、唇が乾燥していました。 でも、見晴らしは最高でした!(よく見るゆとりはありませんでしたが。。。)

新居建築Vol.5~身辺雑記

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GWが終わった6日と7日で上棟が終わりました。 作業現場を見ていましたが見る見るうちに柱から張りまで組まれていく様子を見て職人さんたちの仕事ぶりに感嘆してしまいました。 高いうえで柱の上に立ち作業をしている姿を見て高所恐怖症の私にはできない仕事だと思いました。。。  これが「いの一番」といわれる柱で先日ブログに書いた暗号みたいなものの正体で、 「いの一番に駆けつけるの」語源にもなっている一番最初に建てる柱だそうです。 上棟が終わってシートをまかれた状態、ここからは見た目には分りにくい地味な作業が続くらしいです。 職人さんたちにとっても上棟は一番華々しく見せ場らしく、会社総出で取り掛かっていて、現場監督自身も職人さんたちに交じって作業している姿を見て、好きなことを仕事にしている人の姿は素晴らしいと感じ、改めて建設会社の皆さんに信頼感が湧きました!! 私自身、この建設会社さんとの出会いが家をつくるきっかけを与えてくれたので感謝です。

新居建築Vol.4~身辺雑記

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GW前に足場が組まれて資材も搬入されていました。 5月6日にはいよいよ上棟がスタートして本格的に家の形になってきそうです。   足場の組まれた状態       搬入された材木。  「又ぬ2」とか意味の不明な文字が書いてありましたが 専門家が見るとどこの柱かわかるんでしょうねぇ~スゴイ!

わくわくキッズコンサート感想記~inザ・ハーモニーホール

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先日、息子を児童センターに迎えに行った時に 「わくわくキッズコンサート(こころにホットコンサート)」 なるヴァイオリンとピアノのデュオ・コンサートのチラシを見かけどんなものか出掛けました(入場無料ということもあったので) 於:2015年5月5日(火曜日)10:00~松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) 第2回とあり、前年のこの時期にも開催したそうで、他にも病院や介護施設、児童施設などあちこちで開催しているみたいで、会場でもらったチラシを見たら第1718回!となっていました。 演奏者はヴァイオリンは 牛山正博さん 。地元アマチュア・オーケストラの代表を務め、音楽教室を持ち教育活動もされているので以前から知ってはいましたが、ソリストとしてきくのは初めてでした。 ピアノは 野田あゆ子さん 。私の実家の隣村に「野田ピアノ教室」というのがあると思ったら、そこの先生でした。ヴァイオリンも弾かれるそうで、その師匠が牛山さんになるので師弟共演とでもいうものでした。 プログラムはクラシックから唱歌、ディズニーやジブリの音楽と幅広く薄く気軽に、普段は決してクラシック音楽のコンサートに行かない様な人を主に対象にしたようなものだったので、乳幼児からその親、そして牛山さんの友人・知人?教え子も来ていたのではないでしょうか? 演奏については・・・こういったコンサートなので置いておいて、主に感想について書きたいと思います。 ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」~「春」の第1楽章 が弾かれたのですが、今ではオリジナル楽器の個性的な奏者、ファビオ・ビオンディやエンリコ・オノフリまたジュリアーノ・カルミニョーラなどをきいたしまった耳には(と言ってもここ何年もこの作品はご無沙汰していますが。。。)箱庭的自然風景のようにきこえて、「四季」をイ・ムジチ合奏団とともに大ヒットさせたカール・ミュンヒンガーの指揮のもとバルヒェットがソロを弾いていた演奏が頭の中を過りました。 ベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」からの第1楽章 もキチン、キチンと今日は少なくなりましたが、デパートの贈答用包装紙に包まれたお中元(お歳暮でもいいケド・・・)を頂いた感覚―良く言うと律儀、でも時代とのギャップを受けるものでした。 そういった意味では一番違和感なくきけたのが 「おぼろ月」 と 滝廉太...