ブーレーズのマーラー

私が音楽をきき始めた頃、ちょうどマーラー交響曲全曲演奏会みたいなものが最盛期で(不景気とは言われながらもまだまだ好景気時代の余韻がありました)シノーポリ、ベルティーニ、若杉弘さんの演奏をNHK-FM中継できいた覚えがあります(3人の指揮を全曲ではありませんが・・・確か若杉弘さんの演奏会の中継放送は途中で放送しなくなったような気がします。。。)

ほぼ同時期にこのような演奏会があったことは今になって考えてみればクラシック音楽が投資対象として主催者も儲かった最後の頃かもしれませんが、当時は「マーラーの交響曲が全曲きける!」ということのイベントに喜びを感じていました(長大なマーラーやブルックナーの交響曲やオペラの全曲のCDを買う金銭的ゆとりが無かったことと共にそれを購入しても理解する耳を持っていなかったという理由もあります。しかし、今はゆとりと理解する耳を持っているのか?と問われると言葉はありませんが。。。)

さて、彼の交響曲をきいて感じたのは様々なメロディーとハーモニーそして交響曲とは思えない楽器、カウベル、ハンマー!などの音響に驚き、合唱の迫力に押され、圧倒されました。最初はその音の響きとパワーをきくのみでした。

その後、ピエール・ブーレーズがマーラーの交響曲を様々なオーケストラを振り分けてグラモフォンに録音を始めたと知った時は「ブーレーズ、あなたもか!」と感じ、どうせブランド志向のディスクになるのだろうなぁ~と想像し「知的な闘志」と思っていた彼もいよいよ大衆迎合するようになったのかと半信半疑で第1弾だった第6番「悲劇的」をききました。

一番最初に思ったのは第6番がCD1枚!?ということだった。長時間収録が当たり前のCDでもこの曲がCD1枚に収まるのには相当テンポが速いのでは?という思いは裏切られつつその予想が当たっている所もありました。
まず第1楽章のあの葬送行進曲のような暗いテーマがズンズンと遅いテンポで重厚でありながらクリアな音で始まり驚いた・・・と書いて今日は第7番のことについて述べるつもりだったことを思い出しました。もう少し書くとテンポでいえば全体に遅めであり、特に印象深いのは第3楽章の出だしが小さい音で、まるでブルックナーの交響曲における第1楽章の始まりみたいな感じを受けました。
しかし、前振りが長くなってしまったのでこの辺で切り上げ、続きは次回(予定)にします。
 

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