今週の1曲(33)~ニールセン:フェロー諸島への幻想への旅

今年はデンマークの作曲家・カール・ニールセンの生誕150にあたります。そこで本日はそのニールセンの作品を取り上げたいと思います。

狂想風序曲「フェロー諸島への幻想の旅」

少し冷たい音色が寒々とした北大西洋に浮かぶ島のイメージにピッタリです。

ノルウェーのグリーグ、フィンランドのシベリウスと並び北欧の国民的作曲家トリオといえる人で1931年まで生きていましたが音楽の作風としては後期ロマン派に属しているといっていいでしょう。今回ご紹介するこの作品も晩年1927年の作曲なのですが、ストレートに音楽の素材を追及して構成していくところと、R.シュトラウスのような標題音楽がミックスされたような作品で、決してとっつきにくい曲ではありません。

曲の始まりは混沌として調性が不確かでいかにも20世紀に書かれた音楽といった風で、フェロー諸島に向かう旅人を乗せた船がまだ霧の中で視界が開けないといった感じなのですが、しだいに島の輪郭がはっきりしてくるようになると様々なモチーフが出てきて上陸への期待が高まっていくようです。
クライマックスへと向かうと一遍きいたら忘れられないリズミカルで活気のあるメロディーが登場します。島民が旅人の到着を歓迎して教会の鐘を鳴らし、民族舞曲で踊っている様子が浮かんできます。
その後は静けさを取り戻すのですが、ここは私が一番好きな部分で美しい自然の空気を胸いっぱいに吸い込んだ充実感があります。

【愛聴盤】
エサ・ペッカ・サロネンがスヴェーデン放送交響楽団を指揮したものしかきいた事はありませんが、
澄んだ音色が北大西洋に浮かぶ島の空気や磯の香りまで伝えてきます。

wikipediaより転載させていただきました。

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